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プロ論。2

2005年の本です。各界著名人への、プロの心構えなどについてのインタビューを収録したもので、「自分の将来に不安を感じたとき」「向いている仕事がわからないとき」などの章に分かれています。

何でこんな本を紹介しているかというと、ゆでたまご・嶋田隆司先生のインタビューも掲載されているからなのですが、目次で嶋田先生の名前を探すと……

「何をやってもうまくいかないとき」

うわー、と思ってしまうような章にカテゴライズされてました。ゆでファンなら誰でも、打ち切り作品ばかりだった暗黒期を連想してしまいますが、果たしてその通りでした。ちなみに「ゆで暗黒期」とは、人によって定義は様々なものの、おおむね『ゆうれい小僧』が打ち切られて以来『キン肉マンII世』開始までの鳴かず飛ばずだった時期を指して、ファンにこう呼ばれています。

インタビュー前半は、デビューまでのいきさつやデビュー直後の分業体制になる経緯など、まあいつもと特に変わらない内容です。問題は後半、キン肉マン終了後について話が及びます。

その後、次は何を描こうかと考えていたとき、昔、手塚治虫先生にいわれたことを思い出したんです。「漫画家は3つ武器を持っていなければならない」。要はジャンルの違う作品を3つ描けなきゃ駄目ということ。それで、格闘技を卒業し、妖怪漫画を描くことにしたんです。

うわー、なんと手塚先生が原因!?

しかしこれが不評でして。その後もロボット、料理といろんなジャンルに挑戦したけど、どれも「キン肉マン」を超えられない。ついには「ゆでたまごは駄目だ」と嫌なうわさも耳に入ってくるようになった。

このように暗黒期を暗黒期として語る嶋田先生はとても珍しいです。

しばらくして、やっと気づいたんです。「いちばん得意なもので勝負しないと駄目なんだ」って。よく考えたら、水島新司先生だって野球漫画中心に描かれて、そのジャンルでトップに立たれた方じゃないですか。結局、トンネルから抜け出るのに8年かかりましたよ(笑)。

テリーマンならずとも「ふっきれたな、キン肉マン」とつぶやきたくなるところ。このあと、得意分野を極めるためにジムに通うなどの研究を続けたことが語られ、最後は相棒(中井先生)と読者の支えがあったからここまでやって来られた、といい話で締めます。

『闘将!!ゆでたまご』のインタビューなど暗黒期作品に触れた談話はいくつかありますが、それらはどれも肯定的に語るもので、「機会があればまた料理漫画を描きたい」など思わず「やめてー」と突っ込みたくなる発言も見られました。今回のような否定的なのはたいへん珍しいですが、やはり掲載誌 (B-ing) とかインタビューのテーマによって変わるものですね。特に嶋田先生は過去の発言にこだわらずその場で一番面白くなるような発言を重視する、本人の漫画そのまんまの人(という印象を私は持ってます)なので、漫画や格闘技を離れた媒体でのインタビューをもっと読んでみたいです。

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[…] 々」がゆでたまご嶋田先生へのインタビューでした。大体いつも通りの内容でしたが、『プロ論。2』に引き続いて暗黒期について触れてられており、またその時期にプロレスラーなど漫 […]

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