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ゆでたまご・吉野家問題のまとめ

先日、ゆでたまご嶋田先生がTwitter上で、牛丼チェーン大手の吉野家について暴露話を投稿したところネット上では結構な騒動になっています。吉野家が過去最大89億円の赤字を発表しピンチのさなかの出来事だけに注目が集まり、衝撃的な内容から「もう吉野家には行かない」などショックを受ける人も多いようです。

経緯

元発言はすでに消されているので、Togetterのまとめでご覧ください。

一連の投稿はすぐさま各種ネットニュースで報じられます。

リアルタイムで寄せられた反響の多くは吉野家への失望と不信を表明するものでしたが、ここで、すき家・なか卯を運営するゼンショーの広報アカウントから「吉野家さんというブランドがあってこそ牛丼がここまで来られた」とすかさずフォロー。

2ちゃんねるでは吉野家バッシングが盛り上がり、対照的にゼンショーのしたたかさが浮き彫りになります。

当の吉野家の反応は以下の通り。ただしソースがZAKZAKとJ-CASTであり、注意して読む必要があります。

さて、ネットでの反応は吉野家バッシングに傾いていますが、基本的にどの情報も、嶋田先生という当事者の一方の主張が元になっていることに注意しなくてはなりません。発端から時間が経つにつれ、そのあたりの検証も始まっているようです。

以下、嶋田先生の発言を検証・解説してみます。本人以外のソースが少なくてごめんなさい。

検証と個人的な見解

まず、今回の嶋田先生の発言のタイミングですが、Twitter上で森永製菓とのタイアップについて質問がありそれに回答したのがきっかけで、その流れで吉野家の暴露話に繋がった、というものです。吉野家の経営危機を狙ってどうこうという話ではおそらくありません。

原作の牛丼屋はなか卯?

私は大阪なんでなか卯が大好きで 作品中も描いてたんですが

『キン肉マン』の牛丼はなか卯、という発言はインタビュー等でしばしば見られますが、これは正確ではありません。最初に登場するのは確かになか卯ですが、CMソングをはじめ名前の露出は吉野家の方がずっと多いです。詳しくは過去のエントリ「キン肉マンの牛丼は吉野家?なか卯?」をご覧ください。原作だけでも「キン肉マンの牛丼=吉野家」のイメージは形成されそうです。

吉野家はアニメ版のスポンサーではなくタダで宣伝? 『キン肉マン』は吉野家の経営再建に貢献した?

アニメ始まるときに吉野家が東映さんにキン肉マンの食べてる牛丼を吉野家にしてくれないかと打診あり当時のプロデューサーがOKしたみたいで、その時は吉野家は倒産していて 是非ともこの話しをまとめたかった

ただし吉野家はキン肉マンの番組でいちどもスポンサードしたことない タダで宣伝再建したようなものです。

言われてみれば吉野家の名前は提供欄になかったような気がしますが、「打診」については真偽不明です。演出家の川田武範氏によれば、

川田: そうですね。最後に「ギュ~」っという効果音を入れることで面白くなっています。当時はこれで「吉野家から牛丼のタダ券をもらえるぞ!」と喜んでましたね(笑)。他にも「スポンサーの名前はなるべく使え」というプロデューサーの意向で、「おっとっと」などの森永製品も画面に出しましたからね。あれは昔の日活映画でスポンサーの商品を宣伝していたイメージだったんでしょう。
「伝説超人インタビュー (2) 今沢哲男×川田武範」『フィギュア王 No.119』ワールドフォトプレス、2008年1月30日、ISBN 978-4-8465-2701-3、54-55頁。

とのことで、確かに吉野家がスポンサーとは書いていない一方でスポンサーでないとも言い切れない。牛丼を吉野家のものとして描いたことは間違いなさそうです。

「タダで宣伝再建したようなもの」について。本当に金銭のやりとりがなかったかどうかは不明ですが、当時吉野家は1980年に倒産しており、アニメの開始した1983年はセゾングループ傘下での経営再建を始めたばかりですので、タイアップに拠出するような体力的余裕があったか疑問ではあります。その後吉野家は、1987年に100億の債務を完済し再建を果たしています。1987年6月に発売されたジャンプ・コミックス『キン肉マン』32巻には、

先日、牛丼ひと筋80年で有名な某社主催のパーティーに招待されました。何でも一時は倒産にまで追い込まれた同社が『キン肉マン』の出現で、大人のものだった牛丼を子供も食べるようになり、経営が回復したそうです。僕らが何気なく想像した “牛丼好きのキン肉マン” というアイデアが思わぬところにまで波及したもので、あらためて漫画の読者に及ぼす影響力のすごさに驚いています。
ゆでたまご『キン肉マン 第32巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1987年6月15日、ISBN 978-4-08-851812-1、カバー折り返し作者コメントより

このようにありますので、たとえゆで先生の誇張が入っていたとしても、吉野家が『キン肉マン』の影響力を認知していたことは確かと言えそうです。

無料で食べられるどんぶり?

たしか吉野家がしてくれたのはバフルのときに赤坂にあった高級牛丼のタダ券三枚くれたのと 永久でタダで食えるふれこみだった どんぶりに湯飲みセット(まぁ ただで食べられなかったんだけど)

このどんぶりを受け取った経緯は、1999年12月発売の『キン肉マンII世』7巻に書かれていました。

先日、某有名牛丼チェーンY野家さんから、なんとも立派な荷物が届きました。桐の箱に入った中の品物を見てビックリ。なんと「ゆでたまご」と金文字の入った、Y野家さんの牛丼のどんぶりと、湯呑みのセットなのだーっ!! なんでも、牛丼を世間に広くアピールしてくれたお礼だとか。スンゲー嬉しかったーっ! ついでにY野家さん、このmyどんぶりを持ってったら、全国どこのY野家さんでも牛丼をタダにしてもらえませんかね~?
ゆでたまご『キン肉マンII世 7』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、1999年12月18日、ISBN 978-4-08-857372-4、カバー折り返し作者コメントより

ここでの作者コメントにもある通り、この時点では嶋田先生も無料で牛丼が食べられるとは認識していませんでした。のちに、2003年10月のフジテレビ『トリビアの泉』で、無料との噂で店舗に赴くが断られる、ということがあり(動画)、ここからこじれて「無料という触れ込みだったのに反故にされた」という思い込みが嶋田先生の中で大きくなってしまったのかもしれません。強い思い込みの原因となったのはおそらく

トリビアの時も店員はゆでたまごが来るのは知っていて あの周りの客もみんな吉野家の社員だったのです。つまりみんなして私がタダで食べられないところを見ていた…悔しかったです、恩を仇で返されたとはこのことです。 だから彼らはすき家との提携の時なにもコメントだせなかったのです。

トリビアの収録、または放映内容が本当に屈辱的だったということなのでしょう。確かに本当なら酷い話です。吉野家はこのようなストーリー作りに手を貸すべきではなかったし、ゆで先生を笑いものにするようなストーリー作りをしたフジテレビには一ファンとして怒りを禁じ得ません。矛先がフジではなく吉野家に向いたのは、嶋田先生に牛丼を広めたという自負があったからこその反動と思えます。

この後、視聴者の問い合わせに対する回答が吉野家よりあり、2chに転載されました(pblog: ゆでたまご先生のどんぶりの件で・・・ 続報)。ここに書かれていることにおそらく嘘はなく、無料という名目でどんぶりを送った事実はないのでしょう。この対応自体は企業としてごく当然のものと思います。

まとめ

吉野家の不義理が叩かれていますが、両方の言い分を聞かない限り何とも言えない点は残ります。吉野家が『トリビア』に取材協力してしまったのは失敗だったと言えますし、視聴者から問い合わせがあった時点で結果的に不義理を働いていたことに気付くべきだったとも思います。その後の2008年『キン肉マン』29周年というビッグイヤーに、タイアップをすき家に持って行かれたのは、ゼンショー広報氏のフォローの通り何らかの事情があったのかも知れないので不義理と断じることはできませんが、ビジネスチャンス的には本当にもったいないことをしていますよね。

このエントリの公開直前に、今回の件について嶋田先生の公式ブログから声明がありました。

不幸な行き違いと経営センスのなさが重なってこのような事態になってしまいましたが、何とか関係修復してもらいたいところです。

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